2週間ほど前の事です。
9歳のお誕生日を迎えようとしている小学生に
「このみかんはなあに?」と聞くと「みかん!」
「みかんでも色々な種類があるのよ。これは、伊予柑。」
皮の色や艶の違いや、みかんの種類や出回る順番など
教えている時に
「今の季節は?」と聞いたら「秋!」
思わず「秋なの?」と再度聞きなおすと
「春?」そして・・・「冬」と答えたのです。
訳を聞くと、みかんは、秋から食べれるし、だから「秋」
今日は、とても暖かいから「春」・・・
(確かに、日差しも気温も急に春めいて暖かかったです)
それにしても・・・
大人もそうですが、意外と
「分かっている」「知っている」「常識」と思っていても、
意外と思い違いをしている事が有るのかも知れません。
さて、暦の上では、立春ですので、春 なのですが、
調べてみると、季節の分け方にも色々ある事がわかりました。
一年は四つの季節に分けられますが、
区分の仕方にもいくつかあるのです。
① 気象庁が用いる気候学上の四季
春は三月~五月
夏は六月~八月
秋は九月~十一月
冬は十二月~二月となっています。
② 天文学上の四季
春は春分から夏至前日まで
夏は夏至から秋分前日まで
秋は秋分から冬至前日まで
冬は冬至から春分前日まで。
英語で言うところの「スプリング(春)」は、
本来は上記と同じ春分から夏至前日までを指しています。
③ 暦の上での四季
③-1 旧暦において「月切り」と言われる区分法
月の満ち欠けの一巡をひと月とし、
旧暦一月~三月を春
旧暦四月~六月を夏
旧暦七月~九月を秋
旧暦十月~十二月を冬としていました。
月切りで日取りを行う暦注としては
大安や仏滅などを表わす六曜がありますね。
(ある講演会で僧侶が、
「古代中国の戦の折に出来たのが六曜ですから、
大安や仏滅などは全く気にする事はありません。
ただ単に繰り返しているだけですから」
等と、話された事がありましたよ。)
③-2 「節切り」と言われるもの
二十四節気の節を基準に四季を区分します。
以前CMで、「この国には24の季節がある・・・」
というのを覚えていませんか?
とても上品でステキなCMだったと記憶しています。
この節切りにおける
春は立春から立夏の前日まで(新暦二月四日頃~五月四日頃)
夏は立夏から立秋前日まで(新暦五月五日頃~八月六日頃)
秋は立秋から立冬前日まで(新暦八月七日~十一月六日頃)
冬は立冬から立春前日まで(新暦十一月七日頃~二月三日頃)
選日(三隣亡や八専など)や九星(八白土星など)等、
多くの暦注はこの節切りに基づいており、
テレビや新聞、手紙などで用いられる
「暦の上では春到来ですが・・」などの時候の挨拶、
俳句の季語の分類なども節切りだそうです。
尚、節切りにおける正月は立春から啓蟄の前日までとなります。
季節の変わり目となる節分は本来は四季ごとにあるのですが、
特に立春前日(二月三日)の節分は、
冬と春の季節を分け、旧年と新年を分ける節目の日です。
立春の朝、禅寺の門前に張られる「立春大吉」の
紙のお札は、縦書きすると左右対称になり
一年間災難に遭わないというおまじないで、
意味的には「謹賀新年」に近いものです。
また、立春以降に初めて吹く強い南風は「春一番」。
ちなみに今年のように旧暦の元日より早く
立春を迎えることを「年内立春」と言い、
年内立春を歌った下記二首はつとに有名です。
(「古今和歌集」巻頭)
年の内に春は来にけりひととせを
去年(こぞ)とやいはむ今年とやいわむ
(松尾芭蕉最古の句)
二十九日立春なれば
春やこし年や行(ゆき)けん小晦日(こつごもり)
※小晦日:師走二十九日
こうしてみますと、当たり前としながら
意外とファジーな感覚で季節を捉えているのではないかしら。
一体どれで判断したらいいのでしょう
まっ いずれにしても、
一月は冬という事は違いないようですけれどね。
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