井口和基氏のブログでhttp://quasimoto.exblog.jp/
と言うのを見ました。その中で、
TPP問題に含まれるであろうISD条項の内容を知って大変驚きました。
そこで、一人でも多くの人に知って頂きたいと思い書く事にしました。
このISD条項は、
米国とカナダとメキシコの自由貿易協定である
NAFTA(北米自由貿易協定)において導入されました。
NAFTA(北米自由貿易協定)を受け入れたお蔭で、
カナダもメキシコも自国の農業や、産業が、
大変な状況になっているという事は以前から聞き及んでいました。
その上、ISD条項の締結の結果、
国家主権が犯される事態がつぎつぎと引き起こされていると言うのです。
国家主権が犯される事態の例として、
たとえば
カナダでは、ある神経性物質の燃料への使用を禁止していた。
同様の規制は、ヨーロッパや米国のほとんどの州にある。
ところが、米国のある燃料企業が、
この規制で不利益を被ったとして、
ISD条項に基づいてカナダ政府を訴えた。
そして審査の結果、
カナダ政府は敗訴し、巨額の賠償金を支払った上、
この規制を撤廃せざるを得なくなったのです。
また、ある米国の廃棄物処理業者が、
カナダで処理をした廃棄物(PCB)を
米国国内に輸送してリサイクルする計画を立てたところ、
カナダ政府は環境上の理由から
米国への廃棄物の輸出を一定期間禁止した。
これに対し、
米国の廃棄物処理業者はISD条項に従って
カナダ政府を提訴し、カナダ政府は
823万ドルの賠償を支払わなければならなくなった。
メキシコでは、
地方自治体がある米国企業による
有害物質の埋め立て計画の危険性を考慮して、
地下水を汚染する恐れがあったからですが、
その許可を取り消しました。・・・当然の事です。
すると、
この米国企業はメキシコ政府を訴え、
1670万ドルの賠償金を獲得することに成功したと言うのです。
つまり、
メキシコ政府は、メキシコの水や大地を汚染し
国民に大きな苦を与えるアメリカ企業に対し、
メキシコの国民の税金で1670万ドルの賠償金を支払った
という事になります。
既に、200件以上の累積件数があると言うのですが
驚き以外の何物でもありません。
この3件の事例から判断しても、ISD条項は、
其々の国が自国の為、国民の為に、健康や、環境の事を考え
法律で規制しようとしても、それは出来ないという事になります。
何故なら、
投資家が、不利益を被ったと思えば、
国際投資仲裁所に訴えれば良いからなのです。
国際投資仲裁所は、
訴えの内容を密室で審議し、内容は公表しません。
しかも、いったん決定が下されると、
不服があっても上訴できない。
法解釈に誤りがあっても、決定は覆らない。
さらに、判例に影響されない。・・・・・のです。
つまり、他国で、米国の企業が、
どんなに公害を出そうと、どんなに悪い事をしようと
アメリカ企業を規制する事は出来ないと言う事になります。
他国で、悪い事を、すればする程、
自国を守ろうとする相手国から
莫大なお金をむしり取る事が出来るのです。
何しろ、ISD条項は、
投資家が、国家の政策で損害を被った場合
国家を訴える事が出来るという事なのですから。。。
米国企業は、前述のカナダやメキシコでした事と同じ様な事を
「日本では絶対にしない。」と誰が断言できるのでしょうか?
自国の国民の命や健康、国土を守る為の権利は
其々の国家にある筈です。
かつて、スペイン人を始め白人たちが
アジアや南北アメリカ大陸などの有色人種の国々で犯した
殺戮や虐殺、植民地化をグローバル化の名の下に、
再び、実行しようとしているのではないかしら[E:sign02]
白人至上主義の世の中を作り、有色人種の国々や国民を
搾取の対象にしようとしているのではないかしら[E:sign02]
と不安をおぼえる人もいらっしゃるのではないでしょうか[E:sign02]
第二次世界大戦は、全て日本が悪者扱いされていますが、
第二次世界大戦は、アジアの国を西欧列強から解放する戦いであった事は、正しく歴史を学べば分かります。
なお、世界の歴史で最大の虐殺は、広島・長崎の原爆です。
その原爆という大虐殺を良としている米国が、
日本も納得できる内容を提示するでしょうか?
外交の常として、
TPPのテーブルに着く事は、TPPを受け入れるという事になります。
即ち、自国企業の経済利益を追求する米国に
ISD条項を飲まされると考えた方が妥当ではないかと思います。
何故なら、経済力や軍事力という力をバックに持つ、米国に対し、
小村寿太郎の様に、自国の自主独立を勝ち取る為の、
外交能力と日本人としての矜持を持ち合わせる
政治家や官僚がいる様には思えないからです。
要するに、
ISD条項とは、
各国が自国民の安全、健康、福祉、環境を、
自分たちの国の基準で決められなくする「治外法権」規定
なのです。
例えば、
狂牛病が発生し日本が輸入制限をする。
米国企業が訴える・・・日本が負ける。法律を改悪させられる。
日本は狂牛病にかかった牛肉を輸入させられる。
食品表示で、遺伝子組み換えの表示で米国企業が不利益を被る。
米国企業が訴える・・・日本が負ける。法律を改悪させられる。
遺伝子組み換えの作物を意思に反して食べさせられる。
医薬品や、化粧品などに日本で許可されていない化学成分を使用する事を日本が認めない。
米国企業が訴える・・・日本が負ける。法律を改悪させられる。
強制的に国が許可していない化学成分を体内に入れられる。
など等。
お隣の韓国は気の毒な事に、
この条項を受け入れさせられたのです。
これから先、韓国は一体どのような状態になっていくのでしょうね。
よそのお国とはいえ心配になります。
なお、このISD条項に基づく紛争の件数は、1990年代以降激増し、
その累積件数は200を越えているそうです。
このため、ヨーク大学のスティーブン・ギルや
ロンドン大学のガス・ヴァン・ハーテンなど多くの識者が、
このISD条項は、グローバル企業が
各国の主権そして民主主義を侵害することを認めるものだ、
と問題視していると言われています。
以上の事からも、
ISD条項は、まさに毒まんじゅうと言えます。
それと知ってか知らずか
日本政府は進んで入れようとする愚を行おうとしているというのです。
アワ((゚゚дд゚゚ ))ワワ!!
米国はTPP交渉に参加した際に、
新たに投資の作業部会を設けさせた。
米国の狙いは、このISD条項をねじ込み、
自国企業がその投資と訴訟のテクニックを駆使して儲けることなのだ。
日本はISD条項を断固として拒否しなければならない。
ところが信じがたいことに、
政府は「我が国が確保したい主なルール」の中に
このISD条項を入れているのである
(民主党経済連携プロジェクトチームの資料)。
ISD条項を含むTPP賛成派は、政治家でも、官僚でも、企業家でも売国奴と言えるのかも知れません。
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