私自身の癌について

私は、28歳の時、胃癌を患い余命三ヶ月との診断を受けました。手術をしても半年生きられるかどうかという診断でした。初めての生検で、グループⅤと言われました。


※ 細胞の悪性度はグループで表現され、グループⅠは正常、グループⅡは炎症など、グループⅢは良性腫瘍(腺腫)、グループⅣは癌の疑い、グループⅤは癌を表します。
私が癌になった時の医師の説明ですが、現在では、ステージ0・Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳと表現されているようです。

※ 生検とは、「病患部の一部をメスや針などで取って,顕微鏡などで調べる検査です。正確に診断することができますし、診断をはっきり決める事が出来ます。


私の癌は、グループⅤの上、当初の大きさは親指のつめほどだったものが1ヶ月で4倍の大きさになっているという進行の早さでした。
28歳の若さと言う事もあって進行が速かったのかも知れません。更に、転移しやすいタイプの癌と言う事も重なっていました。(未分化型腺癌と診断されたり低分化型腺癌と診断されたりしました。)

この様な状態でしたので、私の場合は、「助かる」とか「治る」と言う段階では有りませんでした。
しかしながら、そこまでの状態でしたからこそ、却って覚悟を決める事が出来たと思います。死を覚悟して癌に向き合いますと、それ以上の悪い結果と言うのは有りません。ですから、どんなに苦しい嘔吐や発熱があっても、癌を治す為の一過程だと腹が据わって一つ一つの苦しい清浄化を乗越えられたと確信しています。


これは、癌に囚われるのではなく癌を捉える生き方の一つなのです。
言葉を変えれば、死に囚われるのではなく死を捉える生き方をする事でもあるのです。詳しくは別のページでお話しすることに致します。

次のページでは『癌の経緯 ~昭和57年から平成7年まで~』についてお話します。

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