薬に対する考察

『薬一錠に含まれるのは全て有効成分』だと思っていませんか?

薬は、すべてが「有効成分()」と思いがちですが、本当にそうでしょうか?
例えば、カゼ薬を例に取りますと一錠全部がカゼへの有効成分ではないのです。錠剤も塗り薬も、点滴も、予防接種も同じ事ですし、サプリメントのビタミンCも一錠すべてがビタミンCというわけではないのです。

そんな筈はないと仰る方もいる事でしょうが、何故そう言えるのかということを、私自身の体験を交えてお話します。

私が20代のはじめの頃、クレーターのような形の蕁麻疹が全身に出た事がありました。
診察した医師は、様々な検査をした結果、「原因は分からない。」と言いながらも、数種の薬を処方しました。
その薬は、ド・ピンクや、オレンジイエロー、白い錠剤に緑色の粉薬などでした。
また、子供の頃、「カワイ肝油ドロップ(医薬品)」を食べていました。
甘くてついいくつも食べていたような記憶がありますが、実は1日2粒以上食べたらいけなかったそうです。
その当時は乳白色の丸いドロップでしたが、今はピンク色のいちご風味やバナナ風味、グレープフルーツ風味などがあるそうです。

ここまで読んでお分かりになったと思いますが、薬は、すべてが「有効成分」ではないと言ったのは、「添加物」の事だったのです。

お薬には、防腐剤安定剤着色料コーティング剤、胃の中で溶けやすくするための崩壊剤などの化学合成添加物が使われています。
つまりクスリ一錠の構成は「有効成分」と「添加物」とに分けられるのです。

それ以外にも・・・

添加物の他にも、製造途中で使われる中和剤や成分を抜き取るための抽出剤、さらに発酵段階で使われる培養液顆粒や錠剤加工処理用の薬剤、このようにさまざまな薬品が使われています。こうした加工の段階で使われる薬剤は表示義務がないので、消費者はどのような薬剤がどれだけ使われているかを知ることができないのが現実なのです。

しかも、この事は、お薬やサプリメントに限らないのです。
清涼飲料水をはじめ、食品や、シャンプーなどの日用雑貨、アロマテラピーのオイルなど等。私達を取り巻く全てのものに関わっていると考えたほうが無難です。

大量に生産し、品質を安定させるためには化学の力に頼らざるを得ません。
食べものからどんなに農薬や添加物を抜いてみても、クスリやサプリメントを常用する限り、当たり前の事ですが化学物質を排除することは難しくなります出来ません。
ですから、クスリやサプリメントを使う時には、一錠ほぼ丸ごと化学物質であるという認識を持つ必要があると思います。

副作用の無いものは薬ではないと言われているのはご存知の事と思いますが、クスリやサプリメントの服用には副作用がつきまとうという問題もあります。
しかしながら、何らかの症状が出ても、それが有効成分による副作用なのか、それとも添加物によるものなのか、原因を特定しにくいのが現状なのです。

そういうと漢方薬なら安心と思われるかもしれませんが、漢方といえどもクスリに違いはありません。当然、副作用はありますし、実際に死亡事故も起きています。

何を食べ、何を使おうとそれぞれの自由です。
しかしながら「えっ?!知らなかった!」と思っても、「知らなかった」で済まされるのでしょうか?
知らなかった事で取り返しのつかない事になることもあるのです。
ですから、それがどのようにして作られたのかも知っておく必要があるのです。

クスリやサプリメントに関するコマーシャルの多い事で表わされるように、私たち日本人には、安易にクスリやサプリメントを使う習慣が身についています。
特にテレビCMや新聞広告、通販の商品に同封されてくる折込チラシなど等でサプリメントなどの効果を見聞きすると、すぐにでも効果が有るような気がして注文する方もいらっしゃると思います。
しかしながら、CMではメリットは言ってもデメリットは言いません。使用する一人一人が、宣伝文句を鵜呑みのするのではなく、メリット、デメリットをきちんと見極めた上で判断する必要があるのではないかと考えます。

病気は自らの人生の一つ一つの積み重ねた負の結果であり、病気の原因を解消する努力をしない限り、死ぬまで、苦しみや不安と隣り合わせの人生を送ることになります。「知らない」事は、自分自身に苦しみを生み出す原因の一つなのですから、薬に関しても情報をうのみにするのではなく情報を集め、自分で考え自分の責任で判断し選択するのは当然の事なのです。自分自身の健康や命を人任せにしてはならないのです。

※ 「有効成分」とは、医薬品、医薬部外品や農薬などに含まれる物質のうち生理活性を示すもののことです。

※ 「生理活性」とは、化学物質が生体の特定の生理的調節機能に対して作用する性質のことで、生理活性物質を疾病治療に応用したものが医薬品です。
けれども、生理活性を持つことだけが医薬品の特性ではありません。
複数の生理活性を持てば、それは副作用に通じます。また、少量で激しい生理活性をもてば安全な調節の範囲を超え毒性として現れる場合もあります。

次のページでは『好転反応と薬害の違い』についてお話します。